エヒメアヤメ自生南限地   (2013.04.07.撮影)
佐賀市川久保町の帯隈山山麓にはエヒメアヤメの自生南限地があります。

エヒメアヤメは別名タレユエソウと呼ばれているアヤメ科の多年性草木で、 長さ15cm〜20cmの剣状の細長い葉を直立させ、3月下旬〜4月上旬に紫色の小さな花を咲かせます。 葉の長さ(高さ)が15cm前後あるのに比べ、花の高さは7cm〜10cm程度と葉より低く、 花の形状はアヤメの花を小さくした形であり、大きさはスミレ程度です。

中国・朝鮮半島を始め日本では山口県以西の西日本に限って自生しています。 このことから、はるか昔は日本列島と大陸が陸続きであり、動植物が南下してきたを証明する 「大陸系遺存植物」として学術上貴重な植物なのです。

 ▲ 自然豊かな帯隈山山麓で、保存会の方が整備している

 ▲ 保存会の方々が除草や手入れを行っている

 ▲ エヒメアヤメの位置に水色の棒が立ててある

この植物は古くから愛媛県腰折山に自生していた事から、昭和32年に地名を取って「エヒメアヤメ」と名付けられましたが、 既に世界植物学会では洋名の登録があり、 更に日本でも古くから「誰故草」という呼び名があった事が知られた為、 明治38年には「誰故草(別名エヒメアヤメ)」と改名され、学術書や辞書ではこれが使われています。
しかし大正14年に西日本各地の自生地5ヶ所が「えひめあやめ自生南限地」として国指定天然記念物とされた為、 「エヒメアヤメ」の名が広く使われています。 ここ佐賀市川久保町もそのうちの1ヶ所です。


4月初旬の開花時期には、「えひめあやめまつり」が行われ、一般公開されます。 ボランティアガイドによる解説やお茶の提供、農産物等の販売などが行われていました。
ボランティアの方が色々と解説して下さり、日本列島と大陸が陸続きだった事を証明する貴重な植物である事や、 植物は葉が出て後に花を咲かす物が多い中、このエヒメアヤメは先に花が咲き、その後葉が伸び、40cm〜50cm程に伸びると説明して下さいました。
花を楽しんだ後は、山麓で寒い日でしたので、お茶とお菓子を無料でふるまって頂きました。 また、住所と名前を記入して下さいと勧められ、記入すると、来年「ひめあやめまつり」のお知らせを頂けるそうです。 保存会の方の温かなもてなしにも感動した、佐賀のエヒメアヤメ南限地でした。

 ▲

 ▲ エヒメアヤメ

 ▲

 ▲
 エヒメアヤメ自生南限地 
場所佐賀市久保泉町大字川久保
TEL0952-98-0001(佐賀市立久保泉公民館)
営業時間
入園料無料
その他「えひめあやめまつり」期間中は川久保町内に紫色ののぼりが立つので、迷わず辿り着ける。
inserted by FC2 system